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気になる梅毒の症状や感染経路、治療方法とは?

2020年05月10日

2011年以降に日本国内において、20代の若い女性や30代以降の男性の間で梅毒感染者が急増していることが問題になっています。これは大航海時代のヨーロッパで大流行した記録があり、戦国時代や江戸時代の日本でも多くの人が発病しました。1947年に特効薬のペニシリンが発売されるまでは完治させることができず、不治の病として恐れられてきました。現在は治療薬(ペニシリン系抗生物質)を服用すれば完治しますが、治療を受けずに放置すると恐ろしい合併症を発症して命を失う危険があります。

梅毒の病原体はトレポネーマ(Treponemapallidum)と呼ばれる細菌で、主な感染経路は性交渉です。感染後に4段階(第1期~第4期)で発症と潜伏期を繰り返しますが、トレポネーマは感染後3か月以内(第2期)までの間は非常に感染力が強いという性質があります。

最初にトレポネーマに感染してから1~3か月が経過すると、感染部位の皮膚の表面に小さなしこり(初期硬結・下疳)ができます。しこりができても痛みを感じることがなく、放置しても自然に消失するので気づかない場合が多いです。2~3か月ほど経過すると全身に赤い発疹(紅班)が出て膿が排出されますが、痛みや痒みなどの自覚症状はありません。感染初期に皮膚に生じる病変部や発疹部分から排出される膿を通して、他の人にうつる危険があります。性交の際にコンドームを着用して男性器を完全に覆っていても、他の部分にできた病変部に触れることで感染します。

梅毒の病原体(トレポネーマ)は非常に弱い細菌で、空気中や水中では短時間で感染力を失うので日常生活では伝染することがありません。このため、梅毒の感染経路は性的な接触に限られます。江戸時代に梅毒は遊郭を中心にして人々に伝染していましたが、現在も都市部の風俗店で性的なサービスを提供する女性を通して感染が拡大する傾向が見られます。

日本国内で梅毒と診断された場合の治療方法ですが、病気の進行に応じて数週間~2か月にわたり抗菌薬を服用する方法で治療が行われます。治療薬としてサワシリンが処方されますが、この薬の有効成分はアモキシシリンで合成ペニシリンの一種です。治療期間は病期ごとに違いがありますが、1日2回に分けて服用し続ける必要があります。ちなみに海外の治療方法ですが、ペニシリンを単回または2回に分けて注射する方法が一般的です。注射をすれば短期間で治療ができますが、アレルギー反応を起こす危険性があるので日本では行われていません。

梅毒は第2期までに治療を開始すれば飲み薬だけで完治させることができますが、第3期以降になると合併症を発症して治療後に後遺症が残ってしまう恐れがあるので注意が必要です。第3期以降に進むと骨や筋肉に腫瘍ができて顔や手足が大きく変形したり、内臓や脳が深刻なダメージを受けて死に至ります。妊婦が梅毒に罹ると胎児に母子感染を起こしてしまうので、遅くても分娩4週間前までに治療を完了して完治させる必要があります。

梅毒は自覚症状が出にくいので気づきにくいですが、病院や保健所で検査を受けることで感染の有無をチェックすることができます。病院で検査を受けると数千円もの費用がかかりますが、保健所を利用すれば無料です。

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